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電力逼迫の今、暖房にかかる電気代を計算してみた。

大寒波により暖房のニーズが最大級に上がっています。

複数原因に起因するJEPX市場価格の高騰により小売電力市場の先行きも不透明な状況です。

 

暖房のエネルギーといえば、電気、ガス、灯油を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は電気を使った暖房の電気代に焦点を当ててみたいと思います。

在宅勤務による電気代上昇や、電気代を安くする方法についても参考になれば幸いです。

暖房の電気代の計算

暖房の電気代を計算するのに必要な情報は以下の通りです。

  • 暖房の消費電力
  • 暖房の利用時間
  • 電力会社の従量料金単価(1kWhあたりの電気料金。契約先・プランによって様々)

なお厳密に計算するには、特に電気を食う起動時や設定温度到達までの時間・設備仕様、待機電力、電力会社の基本料金なども考慮が必要ですが、ここでは簡易的に計算するため割愛しています。ここで計算される数値は概算であり、実際はもっと電気代がかかっている場合があることをご了承ください。

暖房の消費電力はどこを見ればわかる?

私の自宅の家庭用エアコンの場合、エアコン室内機の下面に写真のようなラベルが貼られています。

色々な数値が書かれていますが、ここではとりあえず暖房の一般的な電気代を計算したいので、消費電力の定格暖房標準0.470kW(=470W)が今回取り上げる数値になります。

このようなラベルは電気ストーブやオイルヒーター、電気カーペットなどでも同様に製品についているはずです。

 

この家庭用エアコンは2018年製ですが、10年前のものだと700〜800Wくらい、それより前だと1,000Wくらい消費する製品もありますから、まだ少ない方と考えられるかもしれません。

 

ちなみに業務用の天井埋め込み式エアコンの場合、小型1.5馬力で1kW以上、4馬力タイプでは10kW以上というものもあります。旧型ではさらに何倍も消費する製品もあります。

調べたことがない方は、この機会に一度チェックしてみるといいでしょう。

 

従量料金単価はどこを見ればわかる?

契約されている電力会社やプランによって様々ですが、ほとんどの場合は各社ホームページで確認することができます。

高圧契約では契約書や電気明細に記載されていることが多いのでそちらをチェックしてみてください。

 

ちなみに東京電力エナジーパートナーの従量電灯B・C、スタンダードS・Lの従量料金単価は30.57円(300kWh以上部分の使用単価)となっています。

実際に計算してみた

概算の計算式は以下の通りとなります。

1日の消費電力量(kWh) = 暖房の消費電力(kW) × 1日の稼働時間(時間)

1日の電気代(円) = 1日の消費電力量(kWh) × 従量料金単価(円/kWh)

仮に、下記の条件だった場合・・・

  • 暖房の消費電力 0.470kW
  • 1日の稼働時間 24時間
  • 従量料金単価 東電の従量電灯Bで30.57円/kWh(三段目料金)

1日の電気代は次の計算から得ることができます。

1日の消費電力量(kWh) = 0.470 × 24 = 11.28

1日の電気代(円) = 11.28 × 30.57 = 344.8296円

1ヶ月31日とすると約10,690円の電気代がかかる計算になります。

なかなかの金額ですね・・・。

 

24時間フル回転でなかったとしても、複数台を使っていたり、業務用エアコンを使用しているとすれば冬場や夏場はかなりの電気代を消費していることになります。

どの暖房器具が得か?

各器具で暖め方がそれぞれ異なるので一概には言えませんが、参考までに8畳用を例に消費電力の比較表を用意しました。

いずれも現行の製品で比較してみますと、エアコンの消費電力が一番少ないという結果がわかります。

ただし実際に導入しようとなるとエアコンは工事が必要な分、値段や手間がかかってくることは否めません。

エアコン以外は移動できるので扱いやすい反面、冬以外は場所をとるだけの邪魔者になってしまいますし、エアコンなら夏場も活躍してくれるメリットがあります。

種類 メーカー 型番 畳数目安 消費電力
エアコン  ダイキン S25XTES 8畳用 635W
オイルヒーター デロンギ HJ0812 8畳用 1,200W
ファンヒーター ダイソン AM09 8畳用 1,200W
遠赤外線電気ストーブ ダイキン ERFT11XS-T 表示なし 1,100W

参考画像


換気しながらの暖房、加湿・・・電気代をどうしよう。

冬場のウイルスの活性化抑制や飛散の抑制には「暖房」と「加湿」が重要であることが各方面から謳われています。

さらに「こまめな換気」も重要という中で、暖房器具で消費する電力はこれまで以上に負担が大きくなっていることでしょう。

乾燥対策として加湿器を導入された方も少なくないのではないでしょうか。

 

では換気しつつ、暖房や加湿もしつつ、電気代を削減するにはどうしたら良いのか。

今回電気代を計算するにあたり必要だった情報から考えてみます。

1日の暖房の利用時間の縮小

無理して暖房をつけず、風邪をひいたり、ウイルスを野放しにするのでは本末転倒です。

ある程度は室内でも暖かい服装で体温は保てるかもしれませんが、空気中のウイルス対策となると逆効果になる恐れがあります。

巣篭もりやリモートワーク等により利用時間はむしろ長くなっているのが現実ではないでしょうか。

 

また、エアコンの消費電力は自転車を漕ぐ感覚に似ていて、スタートしてから一定のスピードに到達するまでは非常にパワーが必要になります。

そのためエアコンの稼働時間を減らそうとするあまりこまめにON/OFFを繰り返してしまうと、連続運転するよりも余計に電気代がかかる恐れがあります。

これらの理由から利用時間の縮小というのは、現実的にはなかなか難しいかもしれません。

消費電力の削減

まずは手元の暖房機器の中で、消費電力の少ないものを優先的に使用する工夫ができそうです。

暖房を効かせる部屋を減らせるならば対処することも可能かもしれませんが、コロナ対策で密にも注意が必要です。

 

1つの暖房に対して部屋が大きい場合や、通路や隙間がある場合には、暖気を無駄に広げないようにカーテンや布などで暖房範囲を狭めるのも手です。

階段がある場合には低い階の方に仕切りをすることで暖房効果はかなり変わってきます。

 

暖房器具が古い場合は新製品に買い替えるのも一つの手です。

仮に古い暖房器具の消費電力が1kWで、新製品が0.5kWだとするならば、ざっくり計算で

夏場の冷房代 0.5kW × 24時間 × 30.57円/kWh × 31日 × 4ヶ月 = 45,488.16円

冬場の暖房代 0.5kW × 24時間 × 30.57円/kWh × 31日 × 5ヶ月 = 56,860.2円

上記から1台あたり年間102,348円ほど削減できる可能性があることになります。

これなら暖房器具の買い替えも十分検討できるのではないでしょうか。

 

2021年1月11日現在、市場連動プランで、その電力会社の特別対応がないとすれば、今月の電気使用料は10倍やそれ以上の請求額になり得る、とんでもない緊急事態にあります。(詳しくはブログ「【緊急事態】電気小売市場が大暴騰しています」をご参照ください。)

該当する契約者はできる限り電力の暖房利用はストップし、可能な限りガスなどの暖房機器に切り替えるなどの対応が必要です。

電気の従量料金単価の削減

2016年以降の電力自由化によって、我々電気使用者は電気の購入先を自由に選べるようになりました。

今では698社の経産省に登録された小売電気事業者が存在しています。

電気の質や停電リスクなどに変わりはなく、「今より安い電力会社にしたい」「旅行代金の割引特典が好み」「ポイントを貯めたい」など利用者は好みに合わせて電力会社を選ぶことができるのです。

ただし中にはほとんど安くならない、申し込み手数料がかかる、縛り期間が長い、途中解約違約金がある、セットプランで契約内容が複雑などの電力会社もありますし、ご利用者の使用状況や条件次第で相性の良い電力会社は様々です。

 

【ご相談者様ごとにベストな電力会社を無料でご紹介するサービス】を展開する弊社では、ほとんどの場合「ご相談者様にとって最も安い&縛り期間がない・違約金がない&安心できる規模の会社」をご希望され、無償紹介しています。

例えば弊社実績では従量電灯契約を初めて切り替えられた場合の削減率が平均10.87%ですから、「上記実際に計算してみた」の項でご紹介した1ヶ月のエアコン1台の電気代10,690円は9,528円に、1ヶ月で1,162円安くできることになります。

さらに従量料金単価は暖房機器だけでなく、ご自宅や事務所などで使用するすべての電気代に関わってくることですから、電力会社を切り替えるメリットは非常に大きなものであることがお分かりいただけるかと思います。

 

ちなみに2回目の切替でも弊社実績平均で7.18%もの更なる削減を達成しています。これは、ほとんどの場合1度目の切り替え電力会社とご利用者様の相性がベストマッチしていない結果と言えます。

「CMを見てなんとなく変えてしまった。」、「ガスや携帯、インターネットなどの会社が電気もやってたからとりあえず変えてみた」というような方はもっと安くなる見込みが十分にありますので一度ご相談してみてください。

まとめ

今回は暖房ごとの消費電力や、実際にかかる電気代、電気代削減のための方法などをご紹介いたしました。

いずれの方でも支払い先が代わるだけで、速攻で取り組めて、簡単に効果を出せるのは「電力会社の切替」になります。

工事の必要はなく、お手元の検針票でシミュレーションさせていただき、内容が良ければお申し込みをいただくだけの簡単な手続きで切り替えられるのが電力自由化です。

法人・個人、戸建て・マンション、持ち家・賃貸、低圧・高圧、どのような条件でもご相談を承れますので、是非一度お問い合わせをいただけますと幸甚です。