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燃料調整費や再エネ発電賦課金って何?

電気の検針票や明細内訳書を細かく見たことはありますか?

”ご相談者様ごとにベストな電力会社を無償でご紹介するサービス”を展開する弊社のお客様の中には、

明細を見たことがないどころか

「毎月の支払い金額も気にしたことがなかった」

という方も意外に少なくありません。

 

そして弊社へのご相談を通して

「こんなに払ってたんだ!」

「切り替えるとこんなに安くなるんだ!」

と驚かれることがよくあります。

 

それはさておき、電気明細の各項目についても弊社のご説明で初めて知る方が少なくありません。

特に、基本料金と従量料金はわかるけど、燃料調整費や再エネ発電賦課金となると「?」というケースがほとんどです。

 

そこで本稿では燃料調整費や再エネ賦課金についてご紹介したいと思います。

燃料調整費

燃料資源に乏しい日本では発電に使う燃料を輸入に頼っていますが、この日々変動する輸入価格に対応して電気代を調整するための仕組みが燃料費調整制度であり、請求名目を燃料調整費と言います。略して燃調費と言われたりもします。

飛行機に乗る方は、燃料サーチャージと似た仕組みと捉えていただいて差し支えありません。

計算方法はなかなか複雑難解なのでここではご紹介を省きますが、TEPCOのサイトに詳細な計算方法等が記載されていますので詳しく知りたい方はチェックしてみてください。

燃調費単価は毎月変動しているため、輸入価格によってはプラスになることもマイナスになることもあります。

下図は過去2年間における東京電力エナジーパートナー(関東エリア、低圧)における燃料調整費の推移になります。

燃料調整費の推移(東京エナジーパートナー 低圧 関東エリア)。ここ2年間マイナス単価が続いているが、特に2020年5月以降はコロナの影響から急激な減少傾向が続く。
燃料調整費の推移(東京エナジーパートナー 低圧 関東エリア)。ここ2年間マイナス単価が続いているが、特に2020年5月以降はコロナの影響から急激な減少傾向が続く。

なお、同じ東電でも電気契約の規模(特別高圧/高圧/低圧)ごとに単価は異なります。

ちなみに多くの場合、どの電力会社も地域電力管内横並びの燃調費を採用しています。

燃調費の例)1ヶ月の電気使用量が500kWhだった場合

燃料調整費は使用量にかかってくる費用になります。

例えば本日現在最新の2021年1月の燃料調整単価(税込)-5.20円/kWhを用いて、仮に1ヶ月に500kWh使用した場合をすると、下記の計算となります。

(2021年1月の燃料調整単価)-5.20 × 500 = -2,600.00円

小数点以下の料金の取り扱いについては電力会社各社で異なりますので、気になる方はご契約先の小売電気事業者にお問い合わせいただくとよろしいかと思います。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

正式名称「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、太陽光発電や風力発電、地熱発電、水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及・拡大させることを目的に作られた固定価格買取精度(通称FIT)に対応するためのものです。

再エネ発電促進賦課金や、再エネ賦課金と略して言う場合もあります。

 例えば太陽光発電が猛烈な勢いで普及した当初、太陽光で発電した電気は例えば20年間の間、36円/kWhの固定価格で電力会社に売ることができましたが、一方で電力会社が一般に売る電気は36円より安い単価です。それだけを考えると電力会社は大損することになります。では誰がこの差額を補填しているのか?それがこの再エネ賦課金であり、電気を使うすべての利用者が補填しているのです。

再生可能エネルギー発電促進付加金の推移。右肩上がりで単価増額が続いており、電気利用者の負担は大きい。
再生可能エネルギー発電促進付加金の推移。右肩上がりで単価増額が続いており、電気利用者の負担は大きい。

再エネ賦課金単価はどの電力会社でも全国一律で決まっています。

その単価は毎年5月に更新されますが、上図の通り再エネ発電の増加に伴って増額が続いています。

ちなみに下図は2013年の環境省による推計です。

当時の環境省では単価2.95円に到達するのはハイペースでも2030年頃となっていますが、実際は10年前倒しで2.98円に到達しています。今後どこまで増額となるのでしょうか、、、

2013年に環境省から出された予測値。最も高い予測値と実際値を比較しても、10年前倒しで2.95円を超えている状況。
2013年に環境省から出された予測値。最も高い予測値と実際値を比較しても、10年前倒しで2.95円を超えている状況。

まとめ

燃料調整費

  • ほとんどの小売電力事業者・プランの契約で適用される
  • 単価は燃料の輸入相場によって毎月変動する
  • 毎月の電気使用量にかかってくる

 再生可能エネルギー発電促進賦課金

  • 契約先の小売電力事業者・プランに関わらず、すべての電気利用者に適用される
  • 単価は再エネ発電の導入状況によって毎年5月に改定される
  • 毎月の電気使用量にかかってくる

特殊なパターンもありますが、基本は上記を押さえておくとよろしいかと思います。

企業でもご家庭でも、その電気代の大小に関わらず大切なお金のお話、少しでも参考になりましたら幸いです。